通りすがりに悪態つくのはやめてくれ

道を歩いていた。
信号のない交差点で車が来たので立ち止まった。
親切な運転手だったのだろう、車も止まってくれた。
歩行者と車が同時に止まったので、一瞬だけ「えっと、進んでいいの？」というような空気になる。
もちろん交通ルール的には歩行者優先なのだけれど、運転手がそれをちゃんと理解してくれているという確証もないので、こちらは少しだけ足を前に出して「進んでいいよね」というようなそぶりを見せる。
というようなシーンは道を歩いていたらしばしば遭遇するだろう。
ところがその日は違ったのだ。
全く気づかなかったのだが、私の後ろに自転車が迫っていたのである。
その自転車に乗っている人から見たら、その歩行者と車のどっちが動くのかよくわからない状況が気に入らなかったのだろう。
自転車は停止するのとそこからまた漕ぎ出すのに運動量を伴うから、そりゃあずっと漕ぎ続けていたいわけだ。
そのちょっとしたストレスからなのか、私の横を通り過ぎる時に何やら声を発したのである。
言葉は聞き取れなかったものの、悪態をつかれたことは口調や語気から分かった。
非常に不愉快である。
私にも車の運転手にも悪いところはないはずだ。
悪かったのは、ただただ自転車に乗っていたその人の機嫌だけである。
その機嫌の悪さを「悪態をつく」という行為で無意味にばら撒かないでほしい。
悪態をつかれて気分を損ねない人はいないだろう。
こちらに粗相がなければなおのことだ。
車の運転手は車内にいるから聞こえなかっただろうけれど。
というわけで、何もしていないのに気分を害された。
この文章を読んで気分が悪くなってしまった方もいるかもしれない。
だとしたら私も無意味にばら撒いてしまったことになる。
申し訳ない。
ただ、こちらとしてはこうしてブログネタにすることで「まあ、記事が一つ書けたし、うだうだ落ち込んでても仕方ない」と立ち直ることができる。
X（旧Twitter）に「どうしてそんなことわざわざ呟くの？　読んだこっちも気分悪くなるんだけど」と思うような呟きをしている人がいるが、何だかんだで同じ状況になってみると気持ちが分かるものである。
ここでちゃんと自分の中で噛み砕いて気持ちを切り替えられるようになれたら強いのだけれど……
なかなか難しいものである。
人間的に未熟なのね……