危うく余計な買い物をしてしまうところだった。
と言いつつ、1,000円にも満たないちょっとした小物である。
L型プラグだ。
コンセントの向きを変えるだけの代物だが、大きなACアダプタを要する電子機器を使っていると、コンセントが塞がるものだ。
痒い所に手が届く、便利そうなアイテムであるが、結局購入に至りはしなかった。
そもそもACアダプタを買い替えたり、そんなに電源が必要な環境でもなくなったからだ。
買おうと思った理由
最近は、ACアダプタ同士が干渉しないように工夫された電源タップがいくつも販売されている。
ただ、私は裏に磁石がついている電源タップしか使いたくないのだ。
干渉を防止できる機構を備えつつ、裏が磁石になっている電源タップは有名メーカーで探しても見つけることができなかった。
それに、あったところで今使っている電源タップからわざわざ買い換えるほどのものかどうかも疑問である。
いっそ、今の電源タップに付け足して、ACアダプタの干渉を防ぐことができるアイテムはないだろうか。
と思って見つけたのがL型プラグだった。
買わなかった理由
とまあ、運命の出会いのようにも感じられたL型プラグではあったが、結果的には買わなかった。
一目惚れのようなものだったのだ。
その機能性に惚れたような気がしたが、L型プラグがある生活を具体的にイメージしてみると、あまり魅力的に思えなかった。
そもそもL型プラグを使おうと思った理由は2つのACアダプタを付けれなかったからである。
しかし、コンセント周りがごちゃごちゃしたするのはあまり好きではない。
L型プラグを使わずに済むのならその方が良い。
そうこう悩んでいるうちに、ACアダプタを買い替えたのである。
今までは2つのACアダプタを使っていたが、これで1つだけで良くなったので、そもそも電源タップに2つのACアダプタを挿す必要もなくなったのだ。
自動的に、L型プラグの必要性もなくなったというわけである。
引き算が苦手
持ち物を減らすのもそうだが、総じて引き算が苦手な人が多い。
仕事の効率化に関する本を読んでいても、新しい作業を始めるのは簡単だが、今まで行っていた作業をやらないように持って行くのは難しいというようなことが書かれている。
(たとえそれが不要な作業だったとしても)
ただ、始めるときはそれが必要だった、あるいは必要だと思い込んでいたはずなのだ。
まるで天啓のように、思いついたまま実行に移してしまう。
実はそこまで重要なことでも必要なことでもないのに、始めてしまったら止めるタイミングがなく、そのまま続けてしまう。
もしもL型プラグを購入していたら、それをどうにか活用しようとしていたかもしれない。
頭では不要だと確信しつつも、どこかで何かに使えるのではないか、せっかく買ったのだから使わないと、と。
使えるプラグを増やすのは、収納を増やすのに似ている。
物が増えたからと、収納ケースを買い足してしまうと、そのケースに入る分だけまた物が増えてしまうものである。
つかえる電源が増えると、外付けHDDや外部ディスプレイのような電子機器を買いたくなってしまうかもしれない。
終わりに
結局は買わなかったとはいえ、向きを変えるだけのL型プラグなんて製品が存在するなんて知らなかった。
もしもACアダプタなどが大きくてタップの他の口を塞いでしまって困っているなら、役に立つだろう。
しかし、このL型プラグを活用するために、使わなくていい(接続しなくていい)ACアダプタなどを繋いでしまうのは趣旨がずれている。
値段も安いのですぐに買ってしまいそうになるが、今一度立ち止まって、本当に便利になるのか、他に方法はないか、コンセントに挿している電化製品が全て必要か、コンセントの配置を工夫すればどうにかならないか、考えてから購入することをオススメする。