ビルドンブング

自由でシンプルな生活を求めて試行錯誤する記録を毎日更新中

R-1グランプリ2022の感想

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

2022年3月6日。
R-1グランプリが放送された。
お笑い3大グランプリと称される賞レースの1つだ。
(R-1グランプリ、キングオブコント、M-1グランプリ)
 
この3大グランプリの中で、最も異質なのがR-1グランプリだと私は思っている。
なぜなら、他が「コント」、「漫才」とやることが決まっているのに対して、R-1グランプリは「1人ネタ」という制限しかないからだ。
1人でコントをしてもいいし、1人で漫才をしてもいい。
自由なのだ。
なので、色々なジャンルのネタを見られるのが楽しみである。
では、1人1人のネタについて、個人的な感想を連ねていく。
あくまでも個人の感想だ。
ここで何かを主張するつもりはなく「面白かったね」と

f:id:bildon:20220308001744p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

 

kento fukaya

f:id:bildon:20220308001705p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

冒頭、合コンという舞台設定と、女性陣だけオープンになったフリップ(?)を見て、おそらくこれから現れる男性陣をいじる流れだろうと想像できた。
柱のようになっている手書きのイラストを回転させて、イラストを切り替えるという今まで見たことのないスタイル。
「次はどうくる?」という期待感と柱を回転させる動作が噛み合って、終始期待してしまう演出だ。
ただ、合コンという舞台設定を用意した割には、それに関連した展開が少なかった印象。
バカリズムが本人以外の要素が大きかったと言っていたが、それが悪い方向へ傾いたかもしれない。
「これだけ大きなセットを使っているのだから、最後には何かすごいことが起こるのでは」という期待をしていたのだが、それを超えるほどの爆発がなかった。
それでも、最後にフリップが繋がって、カウンターだった流れと、最後に座卓を回収したのは面白かった。

f:id:bildon:20220308001625p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

お見送り芸人しんいち

f:id:bildon:20220308001540p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

ラジオ番組「マイナビ Laughter Night」で何度かネタを聞いたことはあったが、映像で見るのは初めて。

ギターを持っていることからも想像できるが、歌ネタだ。
「考えたことはないけど、聞くと誰もが共感できる」絶妙なラインを攻めてくる。
テーマに沿った小ネタを羅列するスタイルなので、とにかく手数が多い。
それでいて、間に長めの文章も入れてることで変化をつけて飽きさせないようにしている。
これは、歌に乗せているからこそできることでもあるので、自分でギターを弾くことに理由付けができている。
野田クリスタルが「発想がすごい」とコメントしたが、全くその通りだ。
よくあれほどの絶妙な切り口をあれだけたくさん生み出せるものだ。
ネタ終了後の粗品の一言「悪いぞ」が全てを表している。
この顔である。

f:id:bildon:20220308001458p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

明らかに悪意があるのに、悪意なんてありませんけど、というスタンスも、キャラクターを面白くしている。

Yes! アキト

f:id:bildon:20220308001419p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

お見送り芸人しんいちのすぐ後になってしまったのは不幸だったかもしれない。
一発逆を連発するネタだったのだが、手数の多さなら先のお見送り芸人しんいちがすでに行なっている。
さらにお見送り芸人しんいちが「僕の好きなもの(ということにした「ざまあ」な物事)」と言うテーマに沿った内容だったのに対して、Yes! アキトは前後関係などないギャグをひたすら連発するだけ。
ギャグ一つ一つは面白いが、他の人と比べられる小レースでは不利だったかもしれない。
ただ、スタンドマイクも何もないステージを見て「これは動くぞ」という期待、そしてそれを裏切らない動きを中心にしたギャグ。

f:id:bildon:20220308001345p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

ギャガーとしてはトップクラスではないだろうか。

見ていて「まさかこのまま一発ギャグだけで行くのか……?」となぜかこちらが心配になったほど。
なぜなら、まさかR-1グランプリのファイナリストに、一発ギャグだけで乗り込んで来るなんて想像もしていないからだ。

吉住

f:id:bildon:20220308001303p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

コント師であることは知っていたし、ネタ前VTRでもコントで勝ちたいという旨の発言をしていた。
ここまでのネタにコントがなかったので、コントがR-1の舞台ではどのように評価されるのか、私も興味があった。
フリップ、歌ネタ、ギャグ、コント——。
1人でネタをするというだけで、何をするかは決めれていない、異種格闘技戦のような様相になるのがR-1グランプリの見どころの一つだ。
審査員は難しい判断を迫られるとは思うが。
個人的にコントが一番好きだ。

f:id:bildon:20220308001212p:plain引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

開始早々この舞台。
バリバリコント。
コント師の凄さは、最初の笑いまでの時間の長さだ。
設定を理解させたり、後半のオチで使うための前振りが入るため、ネタによっては最初の笑いが遅くなる。
測ってみたら、最初の笑いが起きるまで53秒だった。
ネタ時間が3分40秒ほどだったので、総ネタ時間の4分の1近くを前振りに使っていたということだ。
そのおかげで「ヤバい人」を面白く見せることができていたように思う。
ただ、やはり3分、4分ほどでコントにストンとしたオチをつけるのは難しいのかな、と短時間コントの難しさを再認した。
異種格闘技戦に例えたR-1ファイナリストまでコントで上がってきただけで、コント師としての実力は凄まじいものだと思う。
1人コントということで、バカリズムが何点をつけるか気にしていたのだが、結果的にバカリズムの最高点数を獲得していた。

サツマカワRPG

f:id:bildon:20220308001124p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

ネタ前のVTRで、ギャグの連発をしていたYes! アキトを全否定するようなことを言っていて、そこに笑ってしまった。

f:id:bildon:20220308000714p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

ネタ中、同じ場所に立ったまま動かな買ったところもYes! アキトと真逆である。

f:id:bildon:20220308000846p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

これで順番がサツマカワRPGの方が先だったら、どういう雰囲気になっていたのか気になるところだ。
学生服を着ての登場だったのでコントかと思ったが、言葉遊びに近い。
「大会近いもんな」の一言だけでどうしてここまで面白くできるのか、そのセンスに脱帽した。
1つ前の吉住が「変な人」を演じていたのに対して、こちらは「変な人の相手をする普通の人」だ。
「大会を異常に大切にしている人」に対して「それをどうにか覆そうとする人」というシチュエーション。
それを外側から見ている観客・視聴者という構図が面白さを増幅させている。
構造としてはシンプルに見えるが、実はかなり作り込まれていたのではないだろうか。

ZAZY

f:id:bildon:20220308000638p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

何度かテレビで見たことがある。

リズムネタ×フリップネタと言えばいいのだろうか。
フリップと言っても、スライドショー形式で先進的だ。
なんと言えばいいのかわからない。
「なにこれ?」と思いながら見ていたら、最後に本人が「なんそれ」と言うのだからますますわからない。
この訳のわからなさも含めて、ネタの要素の一つなのだろう。
使えるものはなんでも使うという気概がいちばん感じられた。
何よりこれである。

f:id:bildon:20220308000606p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

見た目でいきなり笑わせるなんて卑怯とも思われそうだが、笑いが取れればなんでもいいのだ。
これくらい貪欲でいい。
見ていて清々しい。

寺田寛明

f:id:bildon:20220308000519p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

R-1といえばフリップネタ。
ここまで普通のフリップがなかったので、逆に新鮮だったり。
ネタ前VTRで「フリップで見せるからこそのネタがしたい」というようなことを言っていたので、期待していたら、文字ネタだった。
バカリズムが好きそうだな、と思っていたら、案の定90点。
本大会でバカリズムが90点台をつけたのは、吉住と寺田寛明の2人だけである。
決勝にこそ行けなかったが、バカリズムの大ファンということで、本人は嬉しかったのではないだろうか。
ただ、そのバカリズムが言っていたように、爆発力に欠けるネタだった。
淡々とテーマに沿ったネタを披露して、終始安定した面白さだったのだが、安定したまま終わった印象。
最後のフリップがこれである。

f:id:bildon:20220308000439p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

塾講師をしているとのことで、らしいなぁと思ってしまった。
それこそ、ZAZYくらいふざけても、はっちゃけてもいいと思う。

渡部おにぎり

f:id:bildon:20220308000328p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

唯一のコンビ芸人。
その格好だけで、コントをするのだと理解できた。

f:id:bildon:20220308000258p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

ただ、コンビ芸人の1人コントはハードルが上がる。
「2人のコントネタを1人用にちょっと変えてやってるだけでは?」と少しでも受け手が感じれば、手抜きに思われるからだ。
では、渡部おにぎりのネタはどうだったかというと、しっかりとした1人コントだった。
それはそれでいいのだが、ネタとしては手数に欠けた印象。
トンビに体ごと攫われたというシチュエーションは面白かったのだが、それを生かしきれていないように感じられた。
最初の頭にトンビを載せているインパクトを越えられないまま終わってしまった。
何か、それを超える展開があれば良かったかもしれない。(3分ネタでは厳しいか?)

最終決戦

最終的な順位と得点は以下の通りだ。

f:id:bildon:20220308000225p:plain

(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

f:id:bildon:20220308224744p:plain

なんと、1位と2位が1点差、しかも2位が同率で3人という、史上初の事態に。
あまりにも接戦!
個人的にはやはりコントが好きなので吉住にファイナルに行って欲しかったが、テーマに沿った歌ネタをするお見送り芸人しんいちと、脈略のない不条理なリズムネタを押し通すZAZYによるファイナルとなった。
(2位投票結果発表時の吉住の悔しさを噛み締めるような表情……)

f:id:bildon:20220308000036p:plain

(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)

似たジャンルでありながらスタイルの全く異なる2人の対決は、いかにも頂上決戦という雰囲気で盛り上がった。
2人ともネタのスタイルはファーストステージと変わらずだったので、特筆することはないが、しっかりとしたテーマがあって、そのテーマをファーストステージと変えてきたところが、お見送り芸人しんいちの勝因だったのではないかと思う。

f:id:bildon:20220307235918p:plain

f:id:bildon:20220308001014p:plain(引用:R-1グランプリ2022【2022年3月6日放送】)