文章作成に特化したガジェットが「ポメラ」である。
コンパクトキーボードに画面をつけたような形をしていて、ノートPCよりもスリム&軽量だ。
コンパクト過ぎて、慣れるまでキーボードでの入力はうまくいかない。
いかんせんキーピッチは狭いし、キーも小さい。
というのは慣れればあまり問題なくて、それ自体は手放すことにした理由には強く影響しない。
ただただ、使用頻度が減っていって、いよいよ1年以上使っていないという状態が続いているからだ。
ここでどうにか「何か使えないか」と考えてもいいけれど、使わなくてもやってこれたのだから、潔く手放した方が持ち物も減るだろう。
どちらかといえば「ここで手放して後悔することはないか」を考えた方が良い。
ポメラを使うシーンといえば、自宅以外で文章を作成する場面だろうか。
自宅だったら素直にMacBookやiPadを使った方が早い。
キーボードの慣れもあるが、画面の大きさや高さも違う。
自宅での作業なら、デスクに常備しているキーボードと、目の前の32インチディスプレイで作業する方が圧倒的に快適で、それならiPadをモニターに繋ぐだけですぐに作業できる。
ポメラのメリットは「文章を作ることしかできない」という点である。
PCやスマホ、タブレットだと他のこともできてしまうから、作業に集中できない。
けれど、もう少し本質的なところに目を向けると、スマホなどで集中力が欠ける原因は、その端末ではなくオンラインという環境にあるだろう。
もしもポメラで文章を作っていても、横にネットに繋がったスマホを置いていては集中できないはずだ。
集中するために必要なのは「文章を作ることしかできない」ガジェットではなく「オフライン環境」である。
要するに、スマホのデータ通信をOFFにして、スマホロックケースなんかに作業したい時間を指定して閉じ込めてしまうことだろう。
幸いなことに、私は自宅にネットを契約しておらず、スマホのテザリングだけがインターネットに繋ぐ手段となっているので、そのスマホさえ閉じ込めてしまえば、簡単にオフライン環境を構築できる。
オフライン環境であれば、ポメラでもPCでもタブレットでも、文章の作成に集中できるだろう。
集中できなかったとしても、他にできることはかなり制限されていて、少なくともダラダラとネットを見ることはできないから、何かしら有意義な時間の使い方はできるはずである。
それでいて、ポメラのもう1つのメリットである携帯性に関しては、折り畳みキーボードとスマホで解決できている。
ポメラ単体を携帯するにしても、スマホも必ず携帯するわけで。
だったらスマホ+モバイルキーボードの方がポータブルだ。
というような理由から、私がポメラを使うシーンは今後訪れない、あったとしても他の手段で代用できると判断した。
よって手放す。
例えば、ポメラにBluetoothキーボードを繋いだり、外部ディスプレイに出力できるようになれば、自宅での文章作成に使う可能性はあったのだけれど……
というか、これ買う前に考えてれば買わずに済んだ気がする……