1年くらい前だろうか、ボイスレコーダを購入した。
ガジェットとしてはスマートなのだけれど、今どき「ボイスレコーダを買おう」となる人は少ないはずである。
何せ録音であればスマホでできるからだ。
なのにわざわざボイスレコーダをスマホとは別で持ち歩く必要性を見つけられないだろう。
当時の私は外出の際に必ずと言っていいほどラジオを聴いていた。
iPhoneに保存しておいたラジオをAirPodsで再生するのである。
さて、その状況でそのiPhoneでボイスレコーダを起動して録音するとどうなるだろう。
再生しているラジオが一旦止まってしまう。
それが嫌だというだけで購入したように記憶している。
つまり、ラジオを聴きながら思いついたことを気軽に声でメモできれば楽だよね、という発想のもとに購入したわけだ。
さて、それから実際にどうなっただろう。
意外と、外を歩いていてボイスレコーダに録音するのは恥ずかしい。
それでも続けていたら慣れたのかもしれないけれど。
仮に慣れたとしても、録音したデータを整理するのが面倒になる。
紙のメモなら、それを見ながらタスク管理アプリなんかに入力すれば整理できる。
しかしボイスメモとなると、それをいちいち聞き返さなければならない。
それに外を歩きながら、恥ずかしいからと小声で録音した声である。
聞き取りにくくて何回も聞き直したりしなければならない時もある。
(汚い字で書いた紙のメモを解読することもあるから同等ではある)
そしてそうやってボイスメモを整理するのが自宅ならまだ良い。
私の今の生活で言うと、朝マックで作業している時ならどうだろう。
自分のボイスメモをその場で再生するのは恥ずかしい。
そのためにイヤホン(しかも有線)を使うのも荷物が増えるし繋ぐのも手間だ。
つまり、声で気軽にメモを残せるものの、その整理が面倒になってしまう、という問題が生じたのだ。
それはそれで「ボイスメモはそういうもの」と割り切っても良いのだが、もう一点、ここ1年ほどで私の生活に変化があった。
ラジオを聴かなくなったことである。
ジョギングの時もそうだけれど、せっかく体を動かしてアイデアが出やすい状態にあるのに、そのアイデアを考える頭をラジオの内容を聞き取ることに使っていては勿体無い、という発想からだ。
要するに、外出の際にラジオを聞かないし、かといって音楽を聴くわけでもない。
つまりiPhoneで何かを再生した状態ではなくなったということだ。
ここでボイスレコーダを購入した前提が崩れたことになる。
iPhoneで何も再生していないなら、そのiPhoneのボイスレコーダアプリを使えば録音は簡単にできる。
だったらわざわざ別でボイスレコーダを持ち歩く必要なんてないよね、というわけ。
よって、ボイスレコーダは手放すことにした。
今後も何かを聞きながら外出することはないだろう、という確信もある。
逆に、今の装備だと気軽にボイスメモを残せない、ボイスメモを活用したい、という方にはボイスレコーダを持ち歩く選択肢はアリだと思われる。