ビルドンブング

自由でシンプルな生活を求めて試行錯誤する記録を毎日更新中(金曜日はその週に読んだ小説の紹介)

待てワンGPで視聴者が求めているのは犬に怒りをぶつける小学生の姿ではないか

先日2021年2月27日に放送されたドッキリGP(グランプリ)という番組を見た。
番組内のコーナーのひとつとして【待てワンGP(グランプリ)】という企画があった。
これが初めてではなく、毎回やっている人気コーナーのようだが、私がこの番組を見たのは初めてなので、今までの内容がどうだったのかは知らない。
ただ、2021年2月27日の放送だけ見れば、なかなか良くできた楽しめる内容だった。
 
「待てワンGP」の構図を簡単に分析してみる。

高級肉を前に犬に「待て」

企画の内容は単純だ。
犬とその飼い主が登場して、高級肉を前に犬に飼い主が「待て」をする。
3分間、犬が高級肉を食べずに待っていられたらチャレンジクリアとなる。
挑戦者は視聴者応募から選ばれている、つまり素人だ。
そして、その挑戦者の飼い主は子供なのだ。
公式サイトの募集要項に小学校1年生〜6年生との記載がある。

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要は、素人の小学生をゴールデン番組の企画に使っているわけだ。
これがなかなかいやらしくて、考えた人はすごいと思う。

子供の甘い考えが打ち砕かれる

チャレンジ前に、小学生は「うちの〇〇(犬の名前)なら3分待てできます!」と自信満々に言う。
この姿が、大人から見れば、社会の難しさを知らずに、なんでもできると思っている甘やかされた子供として映る。
 
おそらく、待てワンGPを楽しんで見ている視聴者は、3分待てができてチャレンジ成功することなんて望んでいない
失敗した子供は、自信満々に「できる!」と言い切った少し前の自分を恥じて、その恥を隠すように犬に怒りをぶつける。
その姿を見て大人の視聴者は胸がどこかスカッとする。
 
登場する犬は皆上品で、つまりはそういった犬を飼える裕福な家庭だと容易に推測できる。
というか、チャレンジャーが金持ちの子供だとすぐに判るようにしている。
おそらく意図的にそう見せているのだろう。
庶民の視聴者は、そんな金持ちの子供の甘い考えが最も簡単に打ち砕かれ、その恥を怒りで隠そうとするその姿を楽しんでいる。
もちろん私も楽しませてもらった庶民視聴者の1人だ。

我慢できる犬と我慢できない子供

失敗した子供は怒る。
犬に対して「どうして食べるの!」と怒りをぶつける。
怒りを我慢できていない
子供だからだ。
しかし犬は我慢ができている
確かに3分間待つことには失敗しているのだが、1〜2分ほどは待っていられたのだ。
一方の子供は、失敗した途端に犬に怒る。
その光景を外から見ている視聴者には、子供の姿がとても滑稽に感じられる。
心のどこかで「この子供は犬より馬鹿だな」と嘲笑する。
 
失敗しても「頑張ってくれてありがとう」と犬に感謝できる子供がいたら尊敬する。
しかし、そういう子供ばかりになったら、番組としては盛り上がらないだろう。

良くできた企画

どうやらこの待てワンGPには全国からかなりの応募が来ているらしい。
きっと、応募してきている子供は皆、うちの犬なら3分間待てると信じているし、それを成功させてテレビで話題になる未来を想像して浮かれている。
失敗した時のことなんて考えていない。
 
チャレンジの前に、インタビュー映像が入る。
そこで、子供は自信満々に語る。
その後のチャレンジで失敗。
頭の中に今まで自信に満ちていた自分の言動がフラッシュバックして恥ずかしくなる。
しかし、逃げ道を見つける。
目の前の犬だ。
自分は「待て」と指示しただけで、それを守れずに肉を食べたこの犬が悪い。
そういうことにしようとして、犬を怒る。
視聴者に「失敗したのはこの犬だ」と思わせようとしている。
しかし視聴者は大人だ。
子供のそんな考えはお見通しで、それも込みでバラエティとして楽しんでいる。
 
こんな企画に子供側から応募が殺到しているなんて、企画の立案者はうまくやったものだ。
別に子供を見世物にしているわけではない。
企画の内容を明かした上で、子供の方から挑戦したいという応募が来るのだから。
結果的に視聴者を楽しませるピエロにされてしまうわけだが、子供が勝手にピエロになっただけで、番組はただ高級肉を用意しただけなのである。
非の打ち所がない。

終わりに

色々と言いたいことを言わせてもらったが、我慢できていないのは大人も同じだ。
待てワンGPで犬に怒りをぶつけている子供を見ると、街中で周囲に人がいるのに子供を怒鳴りつけている親の姿が思い浮かぶ。
子供とペットを同じにするなと言われるかもしれないが、自分が世話をしている相手への対応という点では同じだろう。
過程を評価せずに結果だけを見て怒る。
親だって、自分の恥を隠すために子供を怒ることだってあるはずだ。
ただ、大人は隠すのが上手いのでエンタメにはならない。
そういう意味では、ペットの犬とその飼い主の小学生という構図はうまくできている。
 
まあ、実家に帰ったタイミングでたまたま見ただけなので、自発的に見ることはないだろう。
一口に面白いと言っても、あまり気分の良い面白さではない。
どこかジメッとした面白さだ。
やはり、面白さを求めるなら芸人が本気でお笑いをやっている番組が良い。
有吉の壁なんて最高だ。
芸人が芸人である有吉を本気で笑わせようと奮闘しているので、本気で考えたネタをぶつけてくる。
それが今ひとつだったとしても、有吉がコメントで面白くしてくれる。
カラッとした晴天のような面白さだ。
 
毎回やっているかは定かではないが、ドッキリGP自体は毎週土曜日の20時からフジテレビで放送しているので、気になった方は見てみるといい。